玄米食を諦めた人へ。
コウノトリ育むお米で作った焙煎玄米マドレーヌ

プロジェクト名

玄米食を諦めた人へ。コウノトリ育むお米で作った焙煎玄米マドレーヌ

事業者名

エムズ

プロジェクト実施期間

2021年10月5日~11月19日

目標

100,000円

成果

638,700円(638%)

プロジェクト実施者について

エムズ

代表者:
山本マサ子
所在地:
明石市和坂12-19
クロスロードハイツヤマサキ304
事業概要:
コウノトリ育むお米を使った玄米加工品の商品プロデュース、小売・卸売、エステサロン運営
URL:
https://ms-hyogo.com/
問い合わせ先:
TEL 070-5657-2304(担当:山本)

M'sひょうご

エムズのコンセプト

2012年、兵庫県明石市にてエステサロン・エムズを創業。エステサロンのお客様が、自宅でもキレイをセルフケアできるように入浴剤や玄米カイロなどの製品を企画販売した。
そんな中、自身が初期の乳がんを患ったことをきっかけに、食生活の改善に力を入れるようになり、玄米食の効果を自分自身が実感した。

そして2019年に栄養価の高い玄米を手軽にそのまま食べられる「有機焙煎玄米α」をプロデュース。熱風焙煎前にせいろ蒸しを行う工程により、玄米の風味や栄養分を逃さず、香ばしく芳醇な風味を実現できた。有機焙煎玄米αは、五つ星ひょうごに選定され、フランス、ドバイで開催された海外展示会では現地のシェフやバイヤーからも注目されている。

有機焙煎玄米α

クラウドファンディングをBtoBの販路開拓につなげる

応援購入するエンドユーザー向けのオリジナル商品を開発する

有機焙煎玄米αは、そのまま食べてもおいしいが、より食べ方の幅を広げるためミクロパウダー化した焙煎玄米を開発した。焙煎玄米の香ばしい風味が、料理やお菓子の個性を引き立たせる。有機焙煎玄米αの企画販売を行う当社にとって、業務用の原材料として使ってもらうことで販売拡大が期待できる。

BtoBの商談で使える消費者の声を集めるため、新商品のPRと求評のためにクラウドファンディングを実施した。
Makuakeの利用者は一般消費者なので、パウダーの状態で販売するよりもそのまま食べられる調理済み食品を販売する方が応援購入につながりやすい。そこで、有機焙煎玄米αが主役となり、その魅力がストレートに伝わる新商品として焙煎玄米マドレーヌが誕生した。

有機焙煎玄米αの元となる玄米は、兵庫県但馬地域で栽培された有機JAS認証のコシヒカリ「コウノトリ育むお米」を使用。また、マドレーヌのレシピを開発したのは、芦屋市のイタリアンレストラン「ボッテガブルー」の大島シェフ。同店のグルテンフリースイーツも五つ星ひょうごに選定されている。有機焙煎玄米α以外の原材料にもこだわってマドレーヌに仕上げた。
はちみつとてんさい糖の優しい甘さと焦がしバターの風味が、焙煎玄米の香ばしさを引き立たせている。また、米油を使うことで、ついいくつも食べてしまいたくなるふわっと軽やかな食感に仕上がった。
「健康的な美しさ=健康美」を手に入れ、笑顔になってほしいという山本氏の思いが表現されたスイーツが完成した。

有機焙煎玄米αを使用したマドレーヌ 有機焙煎玄米αを使用したマドレーヌの詰め合わせ

プロジェクトで苦労したこと

消費者目線での魅力を棚卸する

Makuakeのウェブサイト上で応援購入を集めるには、まずはプロジェクト一覧の画面から自社のページを開いてもらうことから始まる。数多あるプロジェクトの中から興味を持ってもらうには、トップ写真とタイトル文で端的に魅力を表現する必要がある。さらに、プロジェクトページ訪問後も、本文の最後まで興味が途切れないようなページ制作をしないと途中で離脱してしまう。

当プロジェクトでは、本文の作成に取り掛かる前に有機焙煎玄米マドレーヌの魅力を書き出してみた。
五つ星ひょうごを始めとする受賞歴、海外展示会での実績、ミスジャパン兵庫の公式サプライヤー認定など、目に見えて分かりやすい魅力が挙げられたが、一方でその賞や展示会の事を知らない消費者には理解されにくいといった不安もあった。
消費者が「体験できる」価値で表現するため、なぜ受賞できたのか、なぜ展示会で注目されたのかという問いかけを深めてみた。その結果、健康的な玄米食、グルテンフリー、健康とおいしさの両立といった消費者目線での具体的な魅力が見つかった。
さらに冒頭で消費者の興味を引く呼びかけとして、「玄米食に興味がある人が困っていること」は何かを考えて、「調理に手間のかかる玄米食を手軽においしく楽しめる」という提案を最初に投げかけた。

有機焙煎玄米αを使用したマドレーヌのアップ 豊岡市のコウノトリ

このプロジェクトには、マドレーヌの原料となる「コウノトリ育むお米」を食べることで、豊岡市が長年取り組む環境創造型農業の消費拡大につながりコウノトリ野生復帰のプロジェクトに貢献できるという社会的意義もあった。最近は、商品を購入する際にSDGs(持続可能な開発目標)の考えを取り入れた商品を選択する消費者が増えている。マドレーヌの背景として是非、消費者にも知ってほしいエピソードではあったが、説明の順番に気をつけないと、共感ではなく「押し付け」と取られる恐れもある。プロジェクトの本文では、おいしいスイーツを楽しむことが、結果的に自然環境保全にもつながるということを文末の最後の一押しの魅力として位置付けた。

想定通りに魅力が伝わったかどうかは、応援購入の人数や、購入者の応援コメントから確認できる。Makuakeを今後の販売戦略に活かすためには、①プロジェクトの魅力を棚卸し、消費者が「体験・共感できる」価値について仮説を立てること、②仮説に基づいてプロジェクト本文を構成すること、③プロジェクト終了後に結果を検証すること、という3ステップが重要である。

クラウドファンディングの成果

プロジェクト実施者の言葉

ものづくりで重要なことは、一過性にならないブランディングである。Makuakeのプロジェクトページをどう表現すれば消費者に魅力が伝わるのか検討を重ねたことで、エムズのブランドストーリーを再構築する機会になった。
以前からネットショップで首都圏の消費者に向けて商品を販売したいという希望があったが、自社商品を知ってもらうためのプロモーション方法が分からなかった。魅力的なブランドストーリーと洗練された包装でMakuakeに掲載したことで、希望通りの客層に応援購入してもらうことができた。さらにMakuakeをきっかけにギフト商品の通販サイトにも掲載が広がり、ファンになってくれた消費者とのコミュニケーションが深まっている。

エムス代表 山本マサ子さん

Makuakeのプロジェクトと並行して、食品の展示会に出展して対面でのPRを行った。マドレーヌを展示することで来場者の目を引く事ができ、原材料としての焙煎玄米の商談も広がった。また、Makuakeのサイト知名度アップに伴い、プロジェクト実行のために求められるMakuake品質基準の厳しさも認知が高まってきた。展示会の来場者にとって「Makuakeでプロジェクトを実施したこと」が、品質基準を担保している証明として信用力の向上につながった。

Makuakeでのプロジェクト終了後も、消費者の声を集めることと、展示会出展を継続している。その相乗効果で、バイヤーや料理人の興味を引く高級食材として焙煎玄米の信用力とブランド力が高まってきた。

今後に向けて

これまでの取り組みの成果として、エムズのブランドが確立されてきたと実感している。外部からの評価が自信になるとともに、地産地消の食品を扱う事業者として地域の魅力をもっと世の中に発信し、これまでサポートしてくれた地域の生産者に恩返しをしたいという思いが強くなった。
今後は、パートナー事業者との信頼関係を高め、高品質な商品を安定供給できる生産体制を強化しBtoBの販路開拓を目指していく。また、焙煎玄米の販路開拓だけでなく、玄米を使った新たな商品開発の準備も進めている。
これからやりたい事について、数多くのアイデアを持っている。これまで実践してきた通り、「今できること」の積み重ねがエムズの将来につながっていくというモットーで歩みを続けていく。

有機焙煎玄米α 豊岡市の街並みとコウノトリ

ページ制作を担当した合同会社あおに 代表
クリエイティブディレクター 堀川雄一氏から一言

エムズ山本さんの人生と、
コウノトリ育むお米の繋がりを大切にし、
山本さん「らしさ」を考えました。

「外見ではなく、健康を追求し、身体の内側からキレイになることが美しさにつながる」これは山本さんが営むエステサロン・エムズのコンセプトです。エステサロンを卒業して欲しい。一見不思議な話ではありますが、美容や健康は一時的に改善するものではなく、生活習慣を変え長続きさせてこそ意味があると山本さんは考えられているからです。
プロジェクトに携わる中で、山本さんは肌荒れや、心身の不調、お腹の不調などに悩まされる女性たちにたくさん出会い、そして、ご本人も病気を患われたことを知りました。そういった中で出会った玄米食。玄米食を取り入れることは、コンセプトである身体の内側からキレイになるとつながり、この経験談を全体構成の軸にしました。
とはいえ玄米食を毎日取り入れることは手間暇がかかる。また、健康に興味があってもたまには甘いものを食べたい、我慢したくないなど、玄米食を取り入れるにはたくさんの問題があるのが実態です。支援者にはまずこれらの問題を提起し、焙煎玄米マドレーヌなら我慢せずおいしいものを食べて健康になれます、と提案。また、「身体のために」と、エステサロンを経営する山本さんだからこそ知っている、我慢も美容や健康によくないという考えを加味して「らしさ」を表現しました。商品の見た目だけならどこにでもあるマドレーヌかもしれません。しかし、そこに行き着く商品背景は実行者の中に必ずあります。焙煎玄米マドレーヌ=山本さんと感じていただけるよう心がけました。

堀川雄一氏

エムズ山本さんの人生と、
コウノトリ育む
お米の繋がりを大切にし、
山本さん「らしさ」を考えました。

堀川雄一氏

「外見ではなく、健康を追求し、身体の内側からキレイになることが美しさにつながる」これは山本さんが営むエステサロン・エムズのコンセプトです。エステサロンを卒業して欲しい。一見不思議な話ではありますが、美容や健康は一時的に改善するものではなく、生活習慣を変え長続きさせてこそ意味があると山本さんは考えられているからです。
プロジェクトに携わる中で、山本さんは肌荒れや、心身の不調、お腹の不調などに悩まされる女性たちにたくさん出会い、そして、ご本人も病気を患われたことを知りました。そういった中で出会った玄米食。玄米食を取り入れることは、コンセプトである身体の内側からキレイになるとつながり、この経験談を全体構成の軸にしました。
とはいえ玄米食を毎日取り入れることは手間暇がかかる。また、健康に興味があってもたまには甘いものを食べたい、我慢したくないなど、玄米食を取り入れるにはたくさんの問題があるのが実態です。支援者にはまずこれらの問題を提起し、焙煎玄米マドレーヌなら我慢せずおいしいものを食べて健康になれます、と提案。また、「身体のために」と、エステサロンを経営する山本さんだからこそ知っている、我慢も美容や健康によくないという考えを加味して「らしさ」を表現しました。商品の見た目だけならどこにでもあるマドレーヌかもしれません。しかし、そこに行き着く商品背景は実行者の中に必ずあります。焙煎玄米マドレーヌ=山本さんと感じていただけるよう心がけました。