企業ブランドの確立
かぶりつきたいレタスがある。“予想を裏切る”河西レタスで思いがけない食体験を
河西青果株式会社
2022年10月1日~11月15日
150,000円
268,800円(179%)
2012年の創業以来、淡路島・南あわじ市にてレタスと玉ねぎを栽培している。徹底した土壌管理と鮮度維持によって生み出されるシャキシャキで甘い味のレタスは、「河西レタス」のブランド名で野菜が苦手な子どもたちからも好かれている。
また、レタスを知り尽くした生産者として、「レタスに最も合うドレッシング」の企画開発など加工品製造にも取り組んでいる。
当初、河西青果では、Makuakeのプロジェクトでレタスジェラートを発表しようと計画していた。気温の上昇する夏場は、淡路島ではレタスが収穫できない。加工品を開発することで、農業経営で重視される年間売上の分散を図ることができる。同時に、「河西レタスらしさ」を感じてもらえるジェラートを開発することで、お客さんに一年を通じて当社のレタスを楽しんでもらえるようになる。
加工品の方向性が定まったところで、プロジェクトページでどんな情報を発信するか検討した。お客さんに感じてもらいたい「河西レタスらしさ」とは何なのか、改めて整理してみた。
レタスの収穫までの栽培期間は、品種や季節によって1カ月半から3カ月かかるが、そのうち収穫適期は、わずか3日間しかない。当社は毎月1万玉以上を生産する規模だが、レタスが最高の状態となる3日間を逃さず収穫できる営農管理が強みである。さらに収穫直後に急速冷蔵し、消費者の手元に届くまで徹底したコールドチェーン輸送で温度管理している。鮮度抜群なまま消費者の手元に届くため、シャキシャキした食感やみずみずしさが長期間続く。
また、栽培時は、レタスにストレスをかけない畑づくりを意識している。ふかふかで水はけのいい土壌改良や、化学肥料を極限まで減らした栽培方法など、レタスにとって最高の環境を整えることで、特有の苦みがなく、驚くほど甘いレタスとなる。
初めて河西レタスに出会うお客さんに一番感じてほしいことは、これまでのレタスのイメージを覆すほどの甘さとシャキシャキ感だということに気づいた。これは、河西レタスをそのまま生で食べることで最も感じることができる。
まずは生の河西レタスを体験してほしい。「本当においしいレタス」の味を知っているからこそ、それを加工した時にどんな味になるのか想像し、加工品を購入する際のワクワク感がいっそう高まる。
打ち合わせの結果、加工品をMakuakeに出品する前に、あえて加工しないありのままの生レタスで応援購入プロジェクトに挑戦することにした。当社の魅力の根幹を体感してもらうことが、河西青果のブランド構築となる。そして今後の新商品展開を河西青果とお客さんがいっしょに体験していくことで、お客さんがイメージする「河西青果らしさ」が育まれていくことだろう。
河西レタスのシャキシャキ感や、驚くような甘さをプロジェクトページで表現したい。しかし多くの人にとってレタスと聞いて想像するのは、メインディッシュの添え物であったりドレッシングをかけたサラダだろう。主役になれるレタスというのは想像しにくい。また、味や食感は、個人の主観が大きく反映されるためWEBページでの表現が難しい。
そこでプロジェクトページでは、『かぶりつきたくなるレタス』という挑戦的なタイトルをつけた。そして、当プロジェクトリーダーであり料理人出身の遠藤氏が、初めて河西レタスを食べた時の感動と、その後現在に至るまでのレタス愛を強調した。
直感的にレタスを食べたくなるような表現は、強いメッセージ性を持つ反面、応援購入したお客さんの期待を上回らなければ逆効果になってしまうリスクもある。自分たちが生産するレタスの味や、それを支える営農技術の高さに最大限の自信がある河西青果だからこそできた表現方法でもある。
プロジェクトを担当した河西青果の遠藤氏によると、プロジェクトのスタートダッシュで工夫したのは事前の広報とのこと。プロジェクト開始の1週間前から毎日、主にインスタグラムを使って告知した。その際に気をつけたことは、見た人が応援したくなるような自分たちの魅力を伝えること。せっかく「応援購入サイト」Makuakeを使うので、同じ投稿を機械的に繰り返すのはもったいない。
現場の空気感が伝わるような動画や写真に、レタスの生産やプロジェクトにかける思いを文章で添えて投稿し続けた。応援してほしいという気持ちを素直に表すことも反響があった。また、インスタグラムの広告機能は、自分たちが想定する顧客層を指定した広告表示が可能なため費用対効果が高かったと考えている。
プロジェクトで河西レタスを知ってくれたお客さんが、その後も自社サイトで継続購入してくれている。
さらに現在(2023年3月)、Makuakeで新たなプロジェクト「レタスキムチ」にチャレンジしている。前回から引き続き応援購入してくれるお客さんに加え、新たに購入してくれるお客さんとの出会いもあり、繋がりが拡がる嬉しさを実感している。
次の新商品として、河西青果が当初計画していた「レタスジェラート」がいよいよ発表される。初夏に商品発送できるよう、今春Makuakeでプロジェクトを開始する予定である。開発担当の遠藤氏はリリース延期の間に改良を重ね、ジェラートでも「河西レタスらしさ」を体感してもらいたいと自信をのぞかせる。
新たなプロジェクトを連続しながら、新商品開発の体験をお客さんと共有していきたい。またWEB上での交流だけでなく、今夏には淡路島の農場近くに直売所を開設する。実際に生産現場を見て生産者と交流できる他、現地ならではの体験も企画中である。ネットとリアルを織り交ぜながらお客さんとの繋がりを深めていきたい。
初めてのミーティングで出されたのは「レタスジェラート」。この商品はレタスを手軽に味わってもらいたいという想いから生まれました。「ほんとうにおいしいレタスを広めたい」と心を動かされたからこそ、レタスの食べ方を模索されていました。
一般的にレタスは脇役のイメージで、苦くて青臭く、そのまま(味付けなし)で食べようとは思われていません。多くの人がドレッシングをかけてしまっています。
しかし、遠藤さんは河西レタスと出会い、その味わいに感動し、そんなレタスのイメージを「河西レタス」によって覆されたのです。
河西レタスはシャキシャキで甘く、野菜ソムリエにも評価されています。河西レタスを広めるためには、河西レタスに対する愛を伝えることが大切であり、遠藤さんが体験した感動をありのまま伝えるのが良いと考えました。
そのため、「レタスジェラート」ではなく、「河西レタス」の価値を再定義しメッセージ性を持たせ、河西レタスの便益と独自性を伝えることが重要と考えました。
初めてのミーティングで出されたのは「レタスジェラート」。この商品はレタスを手軽に味わってもらいたいという想いから生まれました。「ほんとうにおいしいレタスを広めたい」と心を動かされたからこそ、レタスの食べ方を模索されていました。
一般的にレタスは脇役のイメージで、苦くて青臭く、そのまま(味付けなし)で食べようとは思われていません。多くの人がドレッシングをかけてしまっています。
しかし、遠藤さんは河西レタスと出会い、その味わいに感動し、そんなレタスのイメージを「河西レタス」によって覆されたのです。
河西レタスはシャキシャキで甘く、野菜ソムリエにも評価されています。河西レタスを広めるためには、河西レタスに対する愛を伝えることが大切であり、遠藤さんが体験した感動をありのまま伝えるのが良いと考えました。
そのため、「レタスジェラート」ではなく、「河西レタス」の価値を再定義しメッセージ性を持たせ、河西レタスの便益と独自性を伝えることが重要と考えました。
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