10分調理でもう一品。
野菜ビストロ発ホットサラダのミールキットでバランス食を。

プロジェクト名

10分調理でもう一品。野菜ビストロ発ホットサラダのミールキットでバランス食を。

事業者名

ファームアンドカンパニー株式会社
(野菜ビストロ レギューム)

プロジェクト実施期間

2021年3月30日~5月20日
 

目標

300,000円
 

成果

402,000円(134%)

プロジェクト実施者について

ファームアンドカンパニー株式会社
(野菜ビストロ レギューム)

代表者:
光岡 大介
所在地:
西宮市高松町5-39なでしこビル8F
事業概要:
レストラン運営、マルシェの企画、情報誌発行 他
URL:
https://farm-c.jp/(会社)
 
https://legumes.jp/
(レストラン 野菜ビストロ レギューム)
問い合わせ先:
TEL 0798-42-8930(担当:光岡)

ファームアンドカンパニー株式会社 外観

ファームアンドカンパニー株式会社のコンセプト

当社代表の光岡氏は、「農業がなりわいとして続けられるように、きちんとした対価で評価してほしい」との思いから西宮市で、兵庫県産有機野菜のアンテナショップの運営に携わってきた。しかし、有機農法による栽培には手間がかかるが、八百屋での青果販売では「おいしくて健康的な野菜」を価格に反映するのが難しかった。

2011年11月に思い切ってレストランへと業態転換し、フランス語で「野菜」を意味する『野菜ビストロ レギューム』を阪急西宮北口の駅前にオープンした。コース料理主体のハレの日のためのレストランとして開業。シェフの味付けで有機野菜にさらに付加価値を追加することで、生産農家も満足できる対価で有機野菜を取り扱えるようになった。

当社は、イベント開催にも力を入れている。消費者の知らない農業の世界や、食べ物を生み出す現場について知ることで、レストランのファンからもう一歩進んで生産農家のファンになってもらえる。季刊誌『兵庫食べる通信』の発行や、月一回のマルシェ開催、シェフと生産農家による料理教室、畑での農業体験ツアーなど、お客さんの好みに合わせた様々な切り口のイベントを企画開催してきた。

レストランのメニュー説明や季刊誌を通じて知った農家の人たちに、イベントで「再会」することで関係が深まり、農家の野菜を友人・知人にも勧めてくれる強力なサポーターになってもらえる。

こうした地道な取り組みを10年間継続してきたことで、京阪神を中心に有機農家の応援団が形成され、畑まで来てくれる熱心なサポーターも延べ1,500人を超えた。

美しい外観

企画開催したイベントの風景

コロナ禍による社会の変化に対応した
新しいレストランの形

オンラインレストランなど新たなイベントでファンづくり

コロナ禍による外出自粛で飲食業界は一変した。テイクアウトやデリバリーに参入した飲食店が多いが、ハレの日需要に特化したレギュームのコースメニューにはマッチしないと判断。

レギュームではWEB販売に力を入れることにした。完成したレストランメニューを真空冷凍で発送するオンラインショップをスタート。またオンライン会議アプリのzoomを使い、お客さんが自宅でコースメニューを楽しみながらレストランにつなぐオンラインレストランのイベントも好評である。レギュームのキッチンからシェフの技をライブ配信したり、音楽家による生演奏、生産農家との中継による野菜の解説など、独創的な企画で10回以上開催している。自宅から参加できる新たなスタイルの交流会として、企業からの依頼開催も受け付けている。

ハレの日需要から日常ユースへの転換

オンラインを活用した新スタイルが確立してきたものの、リピート購入の頻度が課題である。もともとハレの日を飾るレストランのため、特別な日に来店するお客さんが多い。WEB販売でも同じで、ハレの日商品は需要が予測しにくく、月ごとの売上の変動が大きい。

売上の安定を図るため、新たな販売方法として日常ユースで定期購入してもらえる商品を開発し、Makuakeで発表した。

レストランで使用している有機野菜を下拵えして真空冷凍し、プロの料理人が監修したソースをセットした。温める、炒める、和えるといった一手間で、家庭で簡単にプロの味を再現できる、おいしくて健康的なホットサラダのミールキットを開発した。

レストランメニューを真空冷凍で発送

ホットサラダのミールキット

プロジェクトで苦労したこと

使い手目線で自社商品の魅力を再度検討する

当初は「ミールキット」として販売を予定していたが、市場を見渡すと大手販売サイトが席巻しており、後発の中小企業が注目されるのは難しいと予想した。

そこで自社商品の特徴をもう一度整理した。レギューム(野菜)の店名通り、おいしくて健康的な野菜料理に特化したメニューである。また、コース料理一式での販売ではなく、単品料理の1カ月分セットである。自社商品の特徴を表す商品カテゴリーとして、「ホットサラダ」として販売することに決めた。

次に、キャッチコピーとして初めに思い付いたのは、単純に「忙しい人に向けた時短料理」というフレーズだったが、家庭での利用シーンを想像して、より価値の高まる伝え方を熟考した。

忙しくても料理を作る理由を掘り下げていくと、「一汁三菜が理想的な献立」や「忙しくても家族には健康的な食事をして欲しい」といった理由が見えてきた。

そこで「10分調理で『副菜』をもう一品増やせる」、「プロの料理人が監修したおいしくて健康的なホットサラダ」という2点がこの商品の魅力であることに気付いた。

商品の本当の魅力を発見するには、使い手目線で、この商品がどんなふうに生活を豊かにしてくれるのかを掘り下げることが大事である。

ホットサラダ

健康的なホットサラダ

WEB販売におけるトラブル回避

プロジェクトの準備を進める中で、書類集めが意外と大変だった。プロジェクト開始前にMakuakeの審査を受けて、商品情報に誤りがないか、またインターネット通販にまつわる法律に準拠した表現になっているかなどをチェックしてもらう必要がある。商品情報の裏付けとなる確認書類が必要となることもあるので、スムーズにプロジェクトを開始するためには、商品企画と合わせて情報の正確さも準備しておきたい。

これらの手順は決して面倒な作業ではなく、インターネット通販特有のトラブルを回避するという重要な意味がある。

コロナ禍の今、多くの中小企業が新商品開発に取り組んでいる。中でも特に、BtoB企業が、初めてエンドユーザー向けのBtoCに挑戦する際に、「クレーム」や「返品」といったトラブル対応に戸惑うことが多いという。BtoCの直接販売の経験が浅い企業にとっては、Makuakeの審査でリスクを低減した上で販売できるため安心感が大きいだろう。

クラウドファンディングの成果

プロジェクト実施者の言葉

コロナをきっかけに飲食業界は激変した。特にレストランや結婚式場などハレの日需要の業態は、影響が甚大である。当社では、オンラインレストランなどの新たな販売方法を模索しながら経営を持続している。
ポストコロナ・ウィズコロナのニューノーマルが徐々に形成されていると言われるが、今はまだ店側も消費者も手探りの状況だと思う。ニューノーマルが明確になるには、まだ1年くらいかかると予想している。レストラン経営者としては、新たなチャレンジを続けていかなければならない。

今回のホットサラダもMakuakeでの販売がゴールではない。応援購入の結果や、購入者からの意見を参考にして、今後の商品展開に繋げていきたい。
また、ハレの日需要、日常ユース、オンラインイベントを組み合わせて月ごとの売上の平準化を図るとともに、オンラインを活用した新たなファンづくりに取り組んでいきたい。

おいしく健康的なホットサラダ

今後に向けて

今後は、ホットサラダの定期購入サービスを開始し、日常ユースの会員を少しずつ増やしていきたい。

ただし、コロナ以前から取り組んでいる季刊誌発行やイベント開催で経験してきた通り、ファンになってもらうには地道な活動をコツコツ続けるしかない。これまでのファンづくりの経験をオンラインでも実践していきたい。

ホットサラダをきっかけに京阪神以外の遠方のお客さんにもレギュームのファンになってもらい、いずれは生産農家のサポーターになってもらいたい。

ホットサラダ各種

健全な野菜

ページ制作を担当した合同会社あおに 代表
クリエイティブディレクター 堀川雄一氏から一言

野菜ビストロの強みを活かしたミールキットの提案

兵庫県で有機農業を営む生産者たちがつくった野菜を主に使用している「野菜ビストロ レギューム」。お店で使用する野菜を温める、炒める、和えるだけの10分調理で完成するミールキットを開発されました。しかしミールキットは世の中に数多くあり、その必要性がなければ見向きされません。

ミールキットの共通点は「時短」。その共通点で勝負しても競争が激しくなります。そこで考えたのが【一汁三菜】です。彩り豊かで健康的な一汁三菜は理想的な食事ですが、忙しい日々の中で献立を考え実現するのは並大抵のことではありません。特に手間がかかる野菜を使った料理はなおさらです。このことから野菜ビストロの強みを活かしたミールキットの提案を考えて構成しました。

有限会社TechnoTop 堀川雄一氏

野菜ビストロの強みを活かした
ミールキットの提案

有限会社TechnoTop 堀川雄一氏

兵庫県で有機農業を営む生産者たちがつくった野菜を主に使用している「野菜ビストロ レギューム」。お店で使用する野菜を温める、炒める、和えるだけの10分調理で完成するミールキットを開発されました。しかしミールキットは世の中に数多くあり、その必要性がなければ見向きされません。

ミールキットの共通点は「時短」。その共通点で勝負しても競争が激しくなります。そこで考えたのが【一汁三菜】です。彩り豊かで健康的な一汁三菜は理想的な食事ですが、忙しい日々の中で献立を考え実現するのは並大抵のことではありません。特に手間がかかる野菜を使った料理はなおさらです。このことから野菜ビストロの強みを活かしたミールキットの提案を考えて構成しました。